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2023.02.28 お知らせ
Begin Your Story ~齊藤さん~
今回は、卒業生の齊藤由佳さんにインタビューに答えていただきました。

私は現在言語聴覚士として静岡県富士市大淵にある新富士病院グループの医療法人社団喜生会 介護医療院新富士ケアセンターというところで働いています。リハビリ職員は理学療法士2名、作業療法士3名、言語聴覚士1名で働いています。
リハビリをしているところ

Q.言語聴覚士とはどんな仕事か

言語聴覚士(ST)とは”言葉“、”食べる”の専門のリハビリ職種です。子供から年配の方まで幅広く携わる職種です。ことばによるコミュニケーションや嚥下(えんげ)に困難を抱える人を対象に、問題の程度、発生のメカニズムを評価しその結果に基づいて訓練、指導等を行います。脳梗塞、くも膜下出血、肺炎、自閉症スペクトラム障害、吃音、難聴、学習障害、発達障害などのリハビリをしています。

Q.なぜ言語聴覚士になろうと思ったのか

私は英和在学中に親友の親の紹介によってSTに興味を持ちました。幼少期の頃から中耳炎による鼓膜の移植手術を高校生の頃に受ける予定でした。それまで継続して受診していました。母から聞いたことですが、母の友人のお子さんにことばの教室に通われた経験があり、私の受診の際に少しですが関わることがありました。言語聴覚士になりたいと強く思ったのが中学3年生の頃でした。高校生になり進路を真剣に考えるようになった際に言語聴覚士になりたいということをより強く思うようなっていました。大学のオープンキャンパスに参加した際にも“あなたのように経験していることが活かされる。きっとあなたならなれる。あなたみたいな人が必要”話していただけることが多くより“STに絶対なる。ST以外は考えたくない”と思うようになっていました。
勉強で使っていたものの一部

Q.合格するまでに努力したことはなにか

言語聴覚士の合格率は60%台と低く年に1回に実施されています。過去問を繰り返し解いていました。大学で実施している模試、外部模試を繰り返し解き、勉強用にまとめた資料に追記し当日この一冊の資料があればいいというぐらいに資料をまとめていました。友人と問題を出しあったり、サイトやSNSに掲載されている問題を解いたりしていました。解らない語句や出題方法によって解けないということがないようにしていました。一人授業をしたり、家族や友人に説明したりしていました。試験に近づいてきた際には過去問、模試3回分以上を繰り返しやっていました。マークシート方式であるためマークシートのルーズリーフなどを使用しマークシートになれることも忘れずにやっていました。


Q.なぜあきらめなかったのか

ここで諦めていいのかと家族や友人にも声をかけてもらうことが多くありました。合格するまでの間何度も心が折れてしまいいろいろなものにストレスとして当たっていました。不合格になった際には1年後の再チャレンジすることになります。何度も諦めて他の仕事に就くこともできるのにと考えることが多くなっていました。様々な職種で働いたけれどやはりSTになりたいと思うことに変わりませんでした。年末から試験当日までイライラしてしまう自分にさえも嫌いになることが多くありました。合否の日は一番嫌な日でした。でも翌日からは次こそはと努力していました。現在では諦めなくてよかったと思っています。諦めていたら現在の職場とも同僚とも出会えていない。様々な知識を学ぶことはできなかったと思います。

Q.働き始めて感じたことはなにか

人との関わりが多く利用者様それぞれ違うということを痛感しています。教科書通りの症例が一つもないことです。高齢者施設ということもあり聞いている音楽やテレビ番組、趣味が私たちのような流行が違うため話題にすることを考えないとコミュニケーションをとることが難しいと感じました。失語症や認知症、注意障害などによって今までのコミュニケーション方法と違う方法でとるため話をすることに抵抗を持つ方もいます。そういう方に寄り添うことを考えないといけないと感じました。職場に1人のSTとして期待されていることが日々感じています。もっと新しいことを学び、知識だけでなく実践に活かせることを学ばないといけないと感じました。


Q.これからの目指すものとはなにか

私が働いている職場には高齢者が多くいらっしゃいます。嚥下機能についてリハビリをすることが多くあるためもっと嚥下機能について勉強したいと思います。栄養サポート専門療法士の資格を取得できたらと思っています。これからは高齢化社会になっていくため高齢者が増える社会になります。看取りの場になることが多い職場なためその人らしい生活ができるようなリハビリを提供できるST、信頼してもらえいつでも寄り添えるSTを目指したいです。


Q.大切にしているものはなにか

わたしが働いている職場では高齢者が多くいらっしゃいます。また生活の場でもある施設で働いているため病院と異なりその人らしさに重点を置き、リハビリテーションを提供することを大切にしています。看取り支援を実施していることもありできることが限られている場合もあります。チーム医療で動いているためSTの評価と他職種の評価が異なる場合もあり再検討することもあります。STとして食べる・話す・聞く・読むなどの障害がある中でどれだけその人らしい生活を送ることができるのかを最優先に大切にしています。隣人愛を大切に考えています。
新富士病院と施設
私は飯田先生、伊藤榮紀先生、在学中にお世話になった先生方、両親、友人に感謝しています。進路相談の際にリハビリ職種の中でも知名度の低いSTについての情報が少ない中一緒に探し応援してくれた多くの方に支えられ現在の私がいると思います。何度も何度も挫けやめたくなってもやめなかったのは飯田先生からの言葉でした。”ここで諦めて何になるの?中学生の頃からの夢を簡単に諦めていいの?後悔しないの?あなたならできる”という言葉です。家族からも同じ言葉を掛けられましたが、”諦めて何になるの?何のために頑張ったの?”という言葉が何度も何度も繰り返し頭の中をぐるぐるしていました。

胸を張っていることは神様が与えた試練なのだと考えるようになったらこの試練、経験の中から学んだことが多くあったと思います。聖書の”苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。”という聖句が思い出されました。乗り越えた先に何か感じること、考えさせられることがきっとあると考えていました。現在感じていることは辛くても乗り越えられたから何でもできる気がしています。

私が今考える際に絶対に最初に出てくることは在学中に何度も耳にする”隣人愛”です。ルカによる福音書10章25-27節に出てくることが在学中から身についている考え方なのだと思います。どこかで聞いたことのあることだと思います。何にでもチャレンジ挑戦することが大切だと思います。チャレンジすることは自分の知らないことだらけで怖いけれど絶対何かを学べるチャンスだと思います。”できないから、怖いからやめる”ではなく”できないけど怖いけどやってみよう”と行動することから何かを変えるチャンスだと思います。悩めるだけ悩んでいいと思います。それだけ本気だということだと思うからです。笑われたとしても泣いたとしてもいいと思います。どんなんことでもいいから大きいことでなくてもいいからどんな小さなことでもいいからこれからも私は挑戦する人でありたいと思います。

英和女学院 中学校・高等学校

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