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2022.08.29 お知らせ
Begin Your Story ~田仲さん~
先日、卒業生の田仲希三子さんが母校を訪問してくださいました。
Q1. 卒業後の経歴について教えて下さい。

• 国際基督教大学(国際関係学科)を卒業後、ミシガン州立大学に進学して、修士、博士課程を終えた後、ウィスコンシン大学で博士研究員(ポスドク)を二年間、ロチェスター工科大学で客員教授として一年間働いた後、今の勤め先であるジェームスマディソン大学で社会学を教えています。

Q2. 現在の仕事について教えて下さい。

• ジェームスマディソン大学というハリソンバーグ市(バージニア)にある大学で、社会学、高齢社会学、人口学、健康社会学、ライフコース論、家族社会学、日本社会と文化について教えています。

Q3. 英和時代の印象に残っている思い出があれば教えて下さい。また、英和時代の学びが役立っていることがあれば教えて下さい。

• スピーチコンテストに参加するのが好きで、毎年英和にいた時は参加していた思い出があります。優勝したことなどはなかったのですが、どうやったら、聞いている人に興味を持ってもらえるか内容を考えるプロセスが楽しくて、大学で授業の準備をする時の楽しみに繋がっていると思います。
• 社会学者は、多面的、多角的に考察することが大事ですよと生徒に話すことがあるのですが、英和では、答えは一つだから暗記しなさいという先生よりも、色々な考え方や言い方があるよと教えてくださった先生が多くて、先生方に休み時間や放課後に質問に行くのが楽しみだったことを覚えています。

Q4. 留学時代にチャレンジしたことがあれば教えて下さい。

• 友達と先生と、電車でトロントからずっと北の公園で、極寒の中、犬ぞりをして、凍った湖をまわって旅行したことは大きなチャレンジでした。できないと思ったことに挑戦したら一生忘れない風景に出会えたことは、今の生活にも役立っています。
• トロントは電車の街なので、休日になると、地図を片手に、美術館、CNタワーに行ったり、ファーマーズマーケットに出かけたり、ミュージカルを見たり、中華街に行ったり、色々な場所に行きました。英語が上手く話せなかった私にとっては、大きなチャレンジでした。外に出て、カナダの多文化主義について肌で感じることができたのは貴重な体験だったと思います。

Q5. 英和の生徒に何かメッセージをお願いします。

• 社会学者は、良い聞き手であることが大切だと授業を通じて教えることがあります。関心をもって聞くと、自分の頭に入りやすくなるだけでなく、相手にも伝わって、もっとたくさんのことを学ぶことができます。先生やお友達の話すことを、関心を持って聞く中で、良い聞き手になることを心がけると、一生、いろいろな場面で役に立つと思います。
• 私の仕事の一つは、生徒や研究者の書いた論文を批判することなのですが、言葉を選んで、相手が理解しやすいように批判することは大切だと思います。アメリカの大学では、生徒が私のクラスの評価をする機会があるのですが、学期末になると、みんなの声を聞いて私も先生として成長したいので、わかりやすく批判して下さいとお願いするようにしています。ネット社会に生きる上で、批判と誹謗中傷の違いを知っておくことは大切だと思います。私も日々努力しており、簡単なことではないのですが、上手に批判が言える人、批判を自分の成長の糧に変えていける人になって下さい。
田仲さんが執筆した本を図書室に寄贈してくださいました。
"Successful Aging in a Rural Community in Japan"
Kimiko Tanaka 、Nan E. Johnson

英和女学院 中学校・高等学校

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